【あなたならどうしますか?】 迷子になった女児を助けたのは…… ...

【あなたならどうしますか?】 迷子になった女児を助けたのは……

先日、とあるニュースに目が留まりました。

“大人がやらないのなら自分が”

...

福岡県行橋市で、路上で迷子になり泣いていた7歳女児を保護したとして、近くの11歳男児に行橋署から感謝状が贈られた。

午後6時半ころ、そろばん塾から自転車で帰宅中に、犬を連れて泣いている女児を見つけ声をかけたところ、道に迷ったと言う。
すぐに携帯で父親に相談、「大人がいるそろばん塾まで戻りなさい」と指示を受けた。
父親は警察に通報、その後女児は無事に保護され帰宅した。

といった顛末。

散歩に出たまま戻らない女児の母親が同署に相談した矢先の出来事だったとのことで、何よりご家族は安堵されたことでしょう。

男児は、「辺りは暗く、近くに保護者らしい人が見当たらず、通りかかる大人は何もしなかったので自分がなんとかしないといけないと思った。人の役に立つことができてよかった。」と喜んだとのこと。

男児の使命感や人を思う優しさ、実行力のみならず、普段から『困ったことがあったらすぐ連絡するように』と息子に伝えていたお父さんが冷静かつ適切に指示し、対応されたことがさらに素晴らしく感じますし、とても心温まるニュースです。

……が、しかし。

このニュースには2500件を超えるコメントが寄せられています。
この男児の咄嗟の行動とお父さんの対応をたたえるものが多いのかと思いきや…
ほんの一部ですが読んでみると。なんとも、「時代だよな~」と。大人として考えさせられました。

『…通りかかる大人は何もしなかった… 残念ながら気持ちはわかる。特に男の場合、小さな女の子に声かけて助けようとしても違う誤解を受けるリスクがあるので躊躇してしまう…』

『…しかしながらこのご時世、道で通りすがりの下校中の児童にこんにちはと声をかけただけで不審者情報で一斉メールされる…』

『…困ってる小学生を助けた大人が誘拐やらなんやらで逮捕されたって聞いたことありますし、助けたいと思ってもなかなか助けられないですよね…』

などといった内向きな、面倒なことになるリスクを避けたい、避けるのは当然だといった意見が続きます。

確かに、よかれと思ってすることが裏目に出ることもありますね。

また、人間には、

“後悔によって不快な状態を避けようとする”【後悔回避】、
“得するよりも損をしたくない”【損失回避】

などの心理状態があり、後悔や損失などのリスク評価には私たち自身各々の知識経験が影響を受けます。

こういったリスクから自分を守ろうとする“行動免疫システム”は、私たちがよりよく生存していくための仕組みとも言えますが、それによって善行をする際のブレーキになってしまうというのは…とても寂しいことだと感じます。

私なんかは人のためとなれば考えるより先に体が動いてしまう質なので、このニュースのコメントを読んで、「あ、それも一理あるし、みんな利口だな~」と苦笑い。

……いろいろと脱線しましたが、『時代だから』と割り切れないのが昭和の人間。
せめて自分は、この男児のように、「人の役に立つことができてよかった」と胸を張って言えるようにありたいと思うニュースでした…