- 2020.11.24
- お知らせ
公的年金を正しく知る方法。 先日、日本FP協会主催の研修会に参...
公的年金を正しく知る方法。
先日、日本FP協会主催の研修会に参加しました。
テーマは『FPが知っておくべき年金の真実』...
講師は経済コラムニストの大江英樹さんと、社会保険労務士の井戸美枝さん。
大江先生『まちがいだらけの公的年金知識』講義の一部、私たちが認識しておきたい内容をお伝えします。
まずは年金の真実について。
☆年金の本質は「貯蓄」ではなく「保険」= 将来の不幸のためにみんなで備えるもの
老齢年金は年を取って収入が途絶えてしまった時の生活資金
障害年金は病気やケガで障害を負ってしまった時の保障
遺族年金は世帯主が無くなった時の遺族に対する生活保障
年金は保険であり、目的は将来の不安に備えること。損得で考えるものではなく、払った分を取り戻そうとするものでもない
☆家族の扶養機能を社会的に制度化したもの
扶養する子どもの人数、親の寿命、自身の兄弟の人数など、各人固有の条件によって社会的な格差が生まれないように制度化されている=“共助”
☆将来のモノやサービスに対する請求権
年金保険料を払うことで将来のモノやサービスに対する請求権が得られる=“受給権”
次に公的年金の5つの勘違い。
☆年金財政は赤字だ
→赤字なのは国の一般会計。年金会計は約200兆円の黒字。年金積立金というバッファー(余裕・ゆとりの意)がある
☆年金は無駄遣いしているから破綻する
→無駄遣いはあるが破綻はしない
☆年金の運用はマイナスだから破綻する
→年金はその年に受け入れた保険料でその年の給付を賄っており、年金積立金を運用するGPIFの運用も悪くはない
☆未納者が4割もいるから破綻する
→未納は第一号被保険者の4割であり、年金加入対象者全体ではわずか2.3%
☆少子高齢化が進むので支えきれない
→一人の就労者が何人の非就労者を養っているかをデータで調べると、1970年の1.04人~2040年の1.00人(予測)ほぼ変わらない
最後に、これからの公的年金で大事なこと。
☆できるだけ多くの人が参加することで制度を健全に維持すること
☆拠出と給付に関して、誰もが負担を分かち合うようにすること
☆感情的にならず、冷静な議論で制度の見直しを継続していくこと
年金制度の見直しについては井戸先生の講義で2022年4月以降の年金制度改正について要点解説がありました。
老齢年金受け取りの繰り下げの延長やiDeCoの加入や受け取り年齢の変更などです。
(ニュースや厚生労働省のホームページなどで詳細が確認できます)
今回は少々難いお話しになってしまいました。
「長生きして年金を受け取り続けないと払い損」と思っていましたが、年金は助け合いであり、私たちの今そして将来までの安心を保障してくれているこの制度が、これからも健全に続いていくように。
感謝しつつ毎月の保険料を負担していこうと思いました…
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